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角田光代『彼女のこんだて帖』 [読書]

角田さんの作品を手にするのは、直木賞受賞作品以来かも知れない。
お風呂で読むのが苦痛でない本を探していて、ふと手にしたが、ぱらっと読んだだけで何だかとても良いような気がしました。

料理にまつわる短編集。

彼女のこんだて帖 (講談社文庫)

彼女のこんだて帖 (講談社文庫)

  • 作者: 角田 光代
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/09/15
  • メディア: 文庫



1エピソードごとに主人公は変わりますが、次のエピソードの主人公がその前のエピソードに登場していた人物で、物語全体に流れる時間が共有しています。
小説って視覚の映像としてイメージは出来るけど、嗅覚まではなかなかっていうのがほとんどですが、『彼女のこんだて帖』は嗅覚までも刺激する作品。
というのは、料理の描写がとても多いから。

料理だとか食材とかを表現する文章って、何であんなに魅力的なんでしょうね。
根本的に人間には食欲があるし、それを掻き立てられるからでしょうけれど。
日常のちょっとした部分を切り取った話でネガティブなエピソードもなく読んでいてストレスも感じず、そして美味しい香りまでも想像できるお料理が軸になっている。
ちょっとした幸福を味わえる本です。
リラックスタイムのお風呂読書に最適。
移動にもぴったりな本です。
いい意味でライトな本ですね
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